2008年12月15日月曜日

第5回池田家文庫こども向け岡山後楽園発見ワークショップを開催しました

 第5回目の「池田家文庫 こども向け岡山後楽園発見ワークショップ」を平成20年12月14日(日)に開催いたしました。前日13日の天気予報では悪天候が心配されましたが、当日の岡山後楽園は晴れ上がり、気温もさほど寒くなく天候に恵まれました。今回は、岡山市内の小学校から5名の小学生と、そのご家族4名の合計9名が集まってくれました。

 ワークショップでは、附属図書館職員による紙芝居「むかしむかしの後楽園」のあと、2つの班に分かれて、岡山大学教育学部の学生といっしょに、カードに描かれたポイントの絵を、絵図の中から探して後楽園の中を歩きました。それぞれのポイントでは、学生のお兄さんやお姉さん、岡山県郷土文化財団・研究員の万城あき先生から「そのポイントが江戸時代の昔にはどのように使われていたのかや、どのような意味をもっていたのか」についてお話をしてもらいました。参加してくれた子どもたちは、後楽園の中を歩きながら、後楽園を作った池田綱政というお殿さまが好んだ景色(借景)を見たり、築山である唯心山に登って後楽園の全景を眺めながら楽しくすごしました。

 参加してくれた記念に、後楽園の借景をバックに鶴鳴館の前で記念撮影をした写真を、修了証に貼って、こどもたちにプレゼントしました。ワークショップの最後には、こどもたちににワークショップで歩いた場所と一番よかった場所について発表してもらい終了しました。

2008年12月10日水曜日

絵図展図録『日本と「異国」』電子ブック版を公開


平成20年度池田家文庫絵図展『日本と「異国」』では数多くのご来場をいただきました。絵図展でご来場者に無償配布させていただきた絵図展図録(4色フルカラー全32ページ)について、岡山大学附属図書館はFlipper2 Makerによる電子ブックを作成しました。作成した電子ブックは、池田家文庫ホームページから公開をしました。図録には、池田家文庫に含まれる絵図資料の中から、銅版や木版によって作成された日本地図や世界地図、朝鮮通信使や岡山藩の漂流者記録に関する資料を紹介しています。図録冊子版を欲しい方は、岡山大学附属図書館の中央図書館カウンターまでお越し下さい。郵送による配布は一切行いません。なお、配布は在庫数の関係上、配布できる部数がなくなりしだい中止します。

WEB展示中

※現在、電子ブックは拡大機能をつけておりません。後日、拡大機能および全文検索機能を付加する予定です。

2008年12月8日月曜日

学術講演会「江戸時代の岡山後楽園」開催報告


 平成20年12月6日(土)に岡山県技術士会主催、岡山大学附属図書館共催による学術講演会「江戸時代の岡山後楽園」が開催されました。当日は、岡山県郷土文化財団・研究員 万城あき先生によるご講演のあと、希望者のみを対象として岡山後楽園を散策しながらの万城先生による解説がありました。講演会では、岡山後楽園ができた歴史的な背景や風景の変化、普段散策して何気なく見える岡山後楽園の風景の中に隠れた優れた技術や工夫などについてのお話を聞くことができました。今回の講演会は岡山県技術士会主催ということもあり、建築・土木・測量・電気電子・化学・薬学など様々な分野の「技術士」の方が数多く参加されました。
 講演会後の後楽園での歩きながら解説では、寒風吹く中ではありましたが、「江戸時代・藩主の間であった延養亭前からの風景」、「花葉の池、大立石とその後ろに広がっていた山桜と楓でおおわれた江戸時代の二色が岡の風景」、「庭園をさりげなく流れる水流の技」、「絵図からわかる江戸時代の後楽園の田園風景」など普通の観光案内ではなかなか聞くことのできない解説がありました。技術分野の専門家として働く参加者の方々も、昔の優れた技術や技能に関心深く聞いておられました。
 今回の講演会には、岡山県技術士会から会員や一般参加者の参加があり、約50名と会場は満席でなり盛況のうちに終わりました。

2008年11月26日水曜日

岡山大学公開講座「池田家文庫絵図をもって岡山を歩こう」盛況の内、無事終了


 この度、岡山大学附属図書館主催の公開講座「池田家文庫絵図をもって岡山を歩こう」、江戸時代の絵図をもって岡山城、岡山後楽園や城下町を歩き、絵図に描かれた現地で講師の話を聞くという全5回シリーズのいつもたいへん人気のある公開講座であり、平成20年5月24日に開催された第1回目の岡山県立図書館での講演会「池田家文庫城下町絵図について」(講師:岡山大学大学院社会文化学研究科 倉地克直教授)では会場いっぱいの98名、その後の春・秋に実施した岡山城、城下町、後楽園、山陽道(1回あたり定員30名)でも合計延べ128名の参加がありました。2回目以降の講座では各回とも天候に恵まれ、多くの市民で歴史好きの愛好家など特に絵図等に興味をもった参加者たちは、配られた池田家文庫絵図資料と現在の岡山城や岡山後楽園、市街の姿と照らし合わせながら講師の話を熱心に聞いていました。この企画は来年度以降も継続して開催することとし、郷土の歴史を知りたいという多くの地域の人々の期待にこたえます。

池田家文庫絵図展『日本と「異国」』を開催


 岡山大学附属図書館と岡山市デジタルミュージアムが共催する平成20年度池田家文庫絵図展『日本と「異国」』が、平成20年11月1日(土)~16日(日)の期間、岡山市デジタルミュージアム4階展示室で開催されました。今回の展示会では、池田家文庫の中にある江戸時代に木版や銅板を使って作られた世界図や日本図などの地図のほか、朝鮮通信使の岡山藩での接待に関する資料、江戸時代にバタン諸島(現・フィリピンの北)に漂流して日本に帰ってきた岡山藩の漂流民の記録資料など現物資料31点、複製資料2点を展示しました。会期中、県内外から約2,300名の入場があり、また開催初日の講演会にも65名の参加がありました。また、今回は岡山大学文学部日本史学専攻の学生に、展示実習の一環として、展示パネル作りに参加してもらいました。すでに来年度も同様にテーマを決めて開催することとし、開催会期は平成21年度の開催会期は、平成21年9月29日(火)~10月18日(日)の予定です。

2008年10月31日金曜日

いよいよ平成20年度池田家文庫絵図展がはじまります

 平成20年度の池田家文庫絵図展『日本と「異国」』が明日からいよいよ開幕となります。本学社会文化科学研究科の倉地克直先生のご指導のもと、岡山市デジタルミュージアムの猪原学芸員や倉地研究室の学生とともに準備してきた、平成20年度の企画展 池田家文庫絵図展『日本と「異国」』がいよいよ明日11月1日(土)から開催となります。今年は初日1日から開会式、展示解説や記念講演会のイベントがあります。1人でも多くの岡山に住む地域の方々や遠くから岡山に来られる観光客の皆様に、池田家文庫絵図の魅力を感じていただけると幸いに思います。これまでの展示会ではパンフレットを配布していましたが、今年ははじめて展示品を解説した図録『日本と「異国」』(全32ページ仕上げ・開催期間中無償配布)を主催者である岡山大学附属図書館と岡山市デジタルミュージアムの職員が協力して作成しました。絵図展からお帰りになられた後でも、ご来場者に本展覧会の余韻を感じてもらい喜んでもらいたいと思います。
 会期は11月1日(土)〜16日(日)ですので、是非ともおこしください。岡山市に来られる観光客の皆様におかれましては、岡山駅中央口から連絡通路をわたり、1分ですので是非とも本展覧会をご覧能ください。

2008年9月10日水曜日

池田家文庫絵図・岡山後楽園保存管理計画(岡山県)に活用

 岡山県から「特別名勝岡山後楽園保存管理計画書」平成20年3月(担当:土木部都市計画課)の寄贈がありました。本資料には、岡山後楽園の概要として、本学図書館所蔵の池田家文庫に含まれる正徳、明和、文久、明治の各年代における後楽園(当時は御後園)を描いた絵図資料が掲載されているほか、岡山後楽園の本質的価値を構成する諸要素として、絵図(部分図)を比較しながら後楽園のさまざまな場所(亭舎、二色が岡周辺、花交の池、沢の池、唯心山、芝生地・田畑、千入の森、流店、慈眼堂、茶畑)の利活用の変遷をわかりやすく解説しています。このように池田家文庫の資料は、昔の歴史資産を知る手がかりとして、現在の都市計画にも活用されています。

 本報告書に掲載されている池田家文庫絵図
  1.〔後楽園地下ケ絵図〕 貞享4年(1687)頃
  2.後楽園図 元禄2年(1689)頃
  3.〔御後園絵図〕 元禄初期
  4.後楽園図 御茶屋廻リ之図 元禄3年(1690)頃
  5.〔御後園地割御絵図〕 正徳2年(1712)頃
  6.御後園下図 寛保3年(1743)
  7.御後園絵図 明和8年(1771)
  8.〔御後園絵図〕 文久3年(1863)
  9.備前国岡山後楽園真景図 明治16年(1883)

2008年9月9日火曜日

企画展 池田家文庫絵図展、記念講演会のご案内



 岡山大学附属図書館と岡山市デジタルミュージアム主催による池田家文庫絵図展、ならびに記念講演会を今年も開催いたします。今回のテーマは、『日本と「異国」』です。開催概要は以下のとおりです。

 企画展 池田家文庫絵図展 日本と「異国」
 期 間: 2008年11月1日(土)→16日(日)
 休館日: 11月4日(火)、10日(月)
 会 場: 岡山市デジタルミュージアム 4階展示室
 開館時間: 10時~18時(入館は17時30分まで)
 入場料: 無料

 徳川幕府の鎖国政策のために、江戸時代の人々が知ることのできる海外の情報は非常に少なく、自国の地図も正確なものを眼にする機会は限られていました。近世の人々はどのように「異国」のことを見ていたのでしょうか。
 今回の展覧会では、絵図約2400 点を含む、池田家文庫の歴史資料の中から、「地球全図」(1792)「新刊輿地全図」(1861)といった絵図類に加え、朝鮮通信使の接待に関する岡山藩の記録や、漂流して帰国した人々の記録など、当時の「異国」事情をご紹介します。
 
 記念講演会
 『「鎖国」の中の日本と朝鮮』
 日時: 2008年11月1日(土) 14時~16時
 場所: 岡山市デジタルミュージアム 4階講義室
 講師: 名古屋大学文学部 教授 池内 敏 先生
 備考: 聴講無料、先着80名まで、予約不要

 文政2年(1819)に朝鮮半島西部に一艘の薩摩船が漂着しました。この一行25 人のなかに薩摩藩の武士3人が含まれており、彼らは朝鮮人官僚と多くの筆談をし、詩文贈答をします。この時の漂流の記録には多くの挿絵があり、当時の朝鮮風俗をうかがえるものも少なくありません。「鎖国」の時代の知られざる日朝文化交流のひとこまです。しかし、異文化交流は常に相互理解をともなうとは限りません。この事件を主な素材に、当時の人々の誤解と理解のさまざまな姿を、そして「鎖国」の中の日本と朝鮮についてお話しいただきます。

 主 催: 岡山大学附属図書館、岡山市デジタルミュージアム
 後 援: 岡山県教育委員会、岡山市教育委員会

2008年7月14日月曜日

岡山県立博物館 企画展「藺草の芸術 錦莞莛」のご案内-池田家文庫 和書「和漢三才図会」展示-

 岡山県教育委員会・岡山県立図書館主催による平成20年度企画展磯崎眠亀没後100年「藺草の芸術 錦莞莛」が岡山県立博物館で平成20年7月31日(木)~8月31日(日)の会期で開催されます。本展示会では、岡山県の特産の一つである藺草や藺草製品に焦点をあてて、明治時代中期以降のわが国の重要な輸出品であった藺草製品、なかでも倉敷市茶屋町出身の磯崎眠亀の発明による「錦莞莛」について紹介しています。また、岡山大学附属図書館所蔵池田家文庫に含まれる和書「和漢三才図会」から温草類の部分の資料を貸出しており、展示会にて展示されます。

会期:平成20年7月31日~8月31日
場所:岡山県立博物館 岡山後楽園前
開館時間:午前9時~午後6時
休館日:毎週月曜日(8月4日・11日・18日・25日)
主催:岡山県教育委員会・岡山県立博物館
共催:岡山県い業振興協会・倉敷市教育委員会・山陽新聞社

第4回池田家文庫こども向け岡山後楽園発見ワークショップを開催しました

 岡山大学教育学部と同附属図書館は、来る平成20年7月13日(日)に「池田家文庫こども向け岡山後楽園発見ワークショップ」を岡山後楽園鶴鳴 館および園内を会場として開催しました。当日は天候にも恵まれ後楽園内を散策しながら、今から約150年前の岡山後楽園(当時は「御後園」と呼ばれていた) の姿を想像しながら、参加の小中学生たちが大学生や付き添いのみなさんと一緒に学習しました。



 今回のワークショップは通算4回目の開催となり、岡山市内の小中学生24名のほか、保護者・兄弟を含めて総勢60名の参加がありました。当日は、岡山大学大学院教育学研究科・山口健二先生の司会のもと、教育学部3年生16名が教育学部授業「総合実習D」の中で準備してきたワークショップ企画を、池田家文庫絵図や自作教材を活用して実践しました。今回のワークショップでは、前半で大学生による「江戸時代の御後園の利用」を題材にした紙芝居、池田家文庫「御後園絵図」(巨大複製絵図)の上を歩きながらの紙芝居にでてきた場所の解説、園内を歩きながらのワークショップの方法について説明を行いました。この後、大学生・小中学生で構成する8グループに分かれて、自己紹介をするなどお互いが打ち解けた後、後楽園内の観察にでかけました。園内のフィールドワークでは、こどもたちは夏の暑さにも負けず、大学生から配られた岡山後楽園にあるいろいろな場所の絵カードをもらって、手に持った絵図と見比べながら現在の後楽園の場所を探して歩きました。それぞれのポイントでは大学生からの説明もあり、こどもたちは園内が一望できる唯心山(園内中央の小山)や延養亭前では昔の岡山藩主・家臣になった気分で夏の後楽園を絵図と比べながら観察しました。



 ワークショップの最後には、各グループの代表する小中学生が印象に残った場所についてみんなの前で発表を行いました。小中学生からは「唯心山」「慈眼堂」「延養亭」「お舟入り」など多く場所が印象に残ったようで、普段は目につかないような昔の後楽園の姿を学んでもらえたように感じます。また、園内で観察してきたことを各自がワークシートにまとめて、鶴鳴園前でグループ毎に撮った記念写真を一緒に貼って、思い出としてお持ち帰りいただきました。次回(第5回)の開催は、平成20年12月14日(日)となります。

2008年6月25日水曜日

池田家文庫こども向け岡山後楽園発見ワークショップのご案内(参加者募集)

岡山大学教育学部と附属図書館の共催による「池田家文庫こども向け岡山後楽園発見ワークショップ」を下記のとおり開催します。岡山後楽園は、江戸時代に作られた日本を代表する大名庭園です。このワークショップでは、岡山大学教育学部のお兄さん・お姉さんと一緒に、後楽園を探検したあとに巨大絵図(複製)の上を歩いて、後楽園の今と昔を発見します。本事業は岡山大学ユネスコチェア地域セクション事業に採択されております。

日時: 平成20年7月13日( 日) 10:00 ~ 12:30 雨天決行
会場: 岡山後楽園 鶴鳴館および園内
集合: 岡山後楽園 正門前(9:30 受付開始 9:50 入園開始)
対象: 小学4年生以上の小学生(保護者同伴)・中学生
人数: こども30名程度(先着順)
予約: 事前に予約してください。
参加料・入園料: 無料
主催: 岡山大学教育学部、岡山大学附属図書館
後援: 岡山県教育委員会、岡山市教育委員会

2008年6月7日土曜日

岡山大学公開講座「池田家文庫絵図をもって岡山を歩こう」第2回目(岡山城)を開催


 岡山大学附属図書館は平成20年6月7日(土)に岡山大学公開講座「池田家文庫絵図をもって岡山を歩こう」の第2回目として「絵図をもって岡山城を歩こう」を開催しました。事前予約制で30名定員のところ39名の受講予約を受付、そのうち当日は35名の参加がありました。第2回目の講座は、岡山市教育委員会文化財副専門監の乗岡実氏を講師に迎えて、岡山城の「中の段」にあった表書院の造りや各間取りの利用目的などについて、池田家文庫の絵図をもって現地を歩きながら解説してもらいました。公開講座でもって歩く絵図として、元禄13年(1700)に作成された池田家文庫絵図『御城内御絵図』を選定し、A3用紙に印刷した複製絵図を使いました。

  当時の表書院は5つの棟をつないで全体の大きな建物のような構成をしていたこと、表書院の玄関の造りや家臣が登城したときの様子の話、藩政が実際に行われていた広間、台所や表書院への上水路、藩主が執務をしていた部屋、能舞台などについて分かり易く話をしていただきました。公開講座の最後には、国指定重要文化財・月見櫓を特別に開けてもらい城郭内と外との比較を一望していただきました。岡山城は内(本段、中の段)には優美・風靡な姿を醸し出している反面、外に対しては外敵がはいらないように軍事的な風貌をしていることが月見櫓からの眺めからうかがえました。

 この講座で資料した絵図複製資料については、参加者にお持ち帰りいただきました。岡山市から参加の方からは「絵図資料をこのように印刷してもらえて大変嬉しい。これからもこのような機会をたくさん作ってもらいたい」の意見をもらいました。まだまだ進行においては問題点も多々ありますが、県民・市民が池田家文庫資料に触れ合うことのできる機会を作っていきたいと考えています。

※次回(第三回目)は10月4日(土)に開催します。
※予約受付開始は9月4日(木)からです。

2008年6月5日木曜日

”川崎学園だより”(川崎学園発行)に池田家文庫絵図掲載 『岡山後楽園ものがたり ー②後楽園ができる前の風景ー』

 岡山県倉敷市にある学校法人川崎学園が発行する広報誌『川崎学園だより』の5月号に池田家文庫絵図から見たシリーズ記事『岡山後楽園ものがたり ー②後楽園ができる前の風景ー』が掲載されています。記事は、同学園傘下の川崎医療福祉大学医療福祉学科・教授の神原邦男先生が書かれています。「御城ヨリ川上マデ絵図」は後楽園ができる以前の様子が描かれており、先生の文章によると”この絵図に描かれている場所は、藩主の一年間の岡山における生活範囲を描いている”と書かれています。また『御城内御絵図』(元禄13年)、この絵図が描かれた当時の藩主は池田綱政で能舞台や諸施設の後楽園への移築などについて書かれています。池田家文庫の絵図と文書資料を組み合わせて読むことで、岡山藩主・池田綱政の岡山と江戸での生活の様子が伺えることがわかります。文書には「御後園諸事留帳」や「日記(日次記)」に藩主の生活の様子がかかれています。

2008年6月4日水曜日

池田家文庫等掲載許可資料の整理

岡山大学附属図書館に所蔵している池田家文庫などの貴重資料は毎年掲載許可申請を受けて、多くの出版物に掲載利用されています。これらの掲載出版物は掲載許可条件として1部寄贈をしていただいています。一般の書籍のほか、各地の博物館等で開催された歴史関連の展示会図録、学術雑誌、最近はやりの写真や図と文章で解説したシリーズものの雑誌(週刊歴史群像シリーズなど)があります。一般の書籍については分野別書架や郷土資料コーナーに配架していますが、それ以外の資料は「池田家文庫等掲載許可資料」として本館1階から新館1階に入る連絡通路の手前の棚に過去からの資料を並べてあります(場所は変更することもありますが・・・・・)。これらの資料の中でも、特に展示会図録などは手に入りにくい資料なので大切にしなければなりませんし、歴史に興味のある一般の方や学生のみなさんが手にとっても十分に楽しめる資料です。今日から学生ボランティア1名(環境理工学部4年生)とともに毎週1日のペースでこれらの資料のリスト作成をはじめました。ウェブでも公開できるよう頑張って学生ボランティアとともに頑張って作成するので楽しみにしていてください。

どんな史料があるのかな?例えば、こんな資料がありますよ!(館内閲覧)
★『動物の旅』(編集・発行:豊橋市二川宿本陣資料館)平11年掲載許可
★『大名・池田家のひろがり』(発行:鳥取市歴史博物館)平13年掲載許可
★『ホースパレード』(発行:財団法人馬事文化財団)平19年掲載許可
★ 岡山県立博物館の展示会図録多数

2008年6月3日火曜日

こども向け岡山後楽園発見ワークショップ(7/14)の学生企画発表会をしました

平成20年7月14日(日)に実施予定の「池田家文庫こども向け岡山後楽園発見ワークショップ」に向けて、実習授業『総合演習D』(担当:山口健二准教授、赤木里佳子准教授)の講義を受けている岡山大学教育学部の学生3年生が同年5月26日(金)2時間目で、自分たちが考えてきたワークショップの実施案について発表を行いました。今年度は受講生が16名で、4つのグループにわかれて考えてもらいました。昔の後楽園に関する情報源、池田家文庫絵図をいかに子どもたちに理解させるべきか、企画は面白いが時間内に終わることが可能なのでしょうかなど、もうすこし細かく考えるべきと思った点はありましたが、結構使えるなとおもったアイデアも数多くありました。また、学生自身で小物も作成してきており、最近のこどもたちに人気のカードをもじって後楽園内の著名なポイントを紹介したカードなどは面白いと思いました。授業の最後に先生、生徒とともに採点を全員で行い、集計を行い実施案についての採点を行いました。次回の授業までに各チームで修正を行ってくる事になり、次回授業のプレゼンテーションで再度全員採点を行って、実施案が決定することになりました。それまでには、図書館の方で巨大絵図の修理や広報ちらし原稿の準備を行います。

史料を読み解く近世の政治と外交(山川出版社)

掲載許可本として藤田覚編『史料を読み解く近世の政治と外交』(2008,山川出版社)が一部送られてきた。日本史において有名な史料の原文を30点取り上げて、写真製版のほか、読み下しや釈文、用語の解説や現代語訳、そして解説文を掲載している。一つ一つの史料を読み説くことで通俗的な歴史から離れて、史料から向き合った近世史像を描くことができる本である。本書には、池田家文庫から池田綱政の少将昇任のための嘆願書文章の添削に関する古文書「元禄9年9月12日 池田綱政内願書」が例題として掲載されている。大名と幕府役人(中央役人)との嘆願や折衝の様子を伺いうることができる。巻末には、近世資料を読み解くための参考書や近世史料の所蔵館リストが掲載されており、岡山大学附属図書館池田家文庫も紹介されている。

ISBN: 978-4-634-59046-5
定価: 本体1900円(税別)

おかやま散歩(岡山市観光ガイド)'08

(社)岡山市観光協会の岡山観光ガイド'08「おかやま散歩」37p.に池田家文庫城下町絵図「岡山絵図(T7-)が掲載されました。36-39pにかけて、<岡山歴史散歩1>備前平野を睥睨し続けた空前の高楼・岡山城,<岡山歴史散歩2>岡山の繁栄を築いた池田光政、綱政の題目で岡山の城下町や江戸時代に備前国を所領していた池田家の功績が紹介されています。地域の歴史を文章とともに写真や図面で紹介しています。このパンフレットは(社)岡山市観光協会が発行しているパンフレットで、今年度に岡山市内で開かれる学術的なイベントの折に観光パンフレットとして配布されます。

2008年5月25日日曜日

岡山大学公開講座「池田家文庫絵図をもって岡山を歩こう」第1回目を開催


 来る平成20年5月24日(土曜日)に岡山県立図書館を会場として、岡山大学公開講座「池田家文庫絵図をもって岡山を歩こう」(主催:岡山大学附属図書館)の第一回目の講演会を開催しました。講演会では岡山大学社会文化科学研究科の倉地克直教授による「池田家文庫城下町絵図について」のお話がありました。あいにくの雨模様にもかかわらず定員82名のところ、98名ものご来場があり盛況のうちに終わりました。倉地教授からは、「地図や絵図とはそもそも何か、現代地図と絵図との違い、絵図はある目的のために描かれたもので余分な情報は書かれていない、絵図は見る物ではなくてその絵図に込められた目的を理解して読まないといけない、池田家文庫にある城下町絵図は家臣の屋敷割りのために描かれたものなのでそれ以外の情報はない」などのお話がありました。講演会の最後の質疑応答では、ご参加の方から「城下町の水路の循環などがどのようになっていたですか」などの質問がありました。講演会のあと、岡山県立図書館が提供している「横断検索システム」や「デジタル岡山大百科」などのデモンストレーションと2回目以降のまち歩き講座の案内をして講演会を終わりました。
 講演会終了後には、実際に城下町関連の複製絵図を数点展示して、じっくりと会話を楽しみながら、池田家文庫談義に1時間程度親しんでいただきました。

2008年5月21日水曜日

岡山大学ユネスコチェア準備会に参加しました

 岡山大学ユネスコチェアは平成20年5月21日(木)に、学内で国際社会や地域社会の現場で「持続可能な開発のための教育」に関する何らかの活動を行っている岡山大学教職員の情報交換の場として、岡山大学ユネスコチェア準備会が自然科学研究棟で開催されました。準備会では、最近の岡山大学ユネスコチェアを取り巻く状況んついて阿部岡山大学ユネスコチェアホルダーから説明があったあと、それぞれの先生方から自分たちの実施している活動内容の紹介や意見交換があった。岡山大学ユネスコチェアは、国際セクションと地域セクションに分かれて、数多くのプロジェクトが実践されている。附属図書館では教育学部教員との連携によって、平成18年度からこども向けに絵図と現在の岡山を見比べる岡山後楽園発見ワークショップを開催しており、平成19年度は岡山大学ユネスコチェア地域セクション事業として開催した。準備会ではこのワークショップや附属図書館所蔵の池田家文庫絵図について紹介を行った。

2008年5月20日火曜日

池田家文庫ブログ(テスト版)立ち上げ

 岡山大学附属図書館に所蔵する池田家文庫は、江戸時代を通じて備前一国を支配していた岡山藩・池田家の藩政資料です。当時の諸事を記録した古文書、ある目的のもとに描かれた絵図、そのほか典籍(漢籍・和書)からなる約10万点にもおよぶ岡山地域における近世歴史コレクションです。
 岡山大学附属図書館は平成9年度から絵図のデジタル化(文部科学省(旧文部省)の科学研究費)の助成を受けて約2千4百点のデジタル画像を作成しました。一部のデジタル画像作成においては、岡山県立図書館や岡山市デジタルミュージアムとの共同製作事業を行いました。この事業以降、地域文化教育施設との連携を強化しており、文化事業協力協定の締結(岡山大学・岡山県との協定は平成16年8月、岡山大学・岡山市との協定は平成17年2月)をうけて、絵図展やワークショップなどを通じて地域の人々が地域文化・歴史を学ぶ機会を提供しております。こうした機会は、岡山大学の教員や岡山県内の社会教育施設との協働関係で実施しており、学術的にもたいへん素晴らしい企画が実現しています。来場者や参加者からも毎回好評を得ております。
 今迄以上に地域の方々に、池田家文庫の世界を堪能していただくため、また若い世代の方にも歴史・文化に興味をもっていただくため本ブログを立ち上げることにしました。

※当面は、テスト運用として情報をアップします。